「編集プロダクションって、なにやってるの?」
この質問、営業してるとたまにお客さんから聞かれることがあります。
私「本を作ってます」
客「ほぉ~本作ってんの、どんな本?」
私「えーと社史とか学校の歴史とか、いわゆる年史ってやつが中心なんですよ。あ、他にも会社案内とか図録とかポスターとか、まあ何でもやってるんですけど」
客「へぇ~出版社なんだ~」
私「あ、うち編集プロダクションなんです。出版もやってますけど」
客「あーそうなの? それで編集プロダクションって、なにやってるの?」
以下繰り返し
まあ最後は冗談ですが、正確に定義しろと言われると、少し困ってしまうんですよね。そもそも「編集」とは何なのか? 困ったときはまず調べる。「編集」を辞書で引いてみましょう。
岩波書店の『広辞苑』第5版では、
へん-しゅう 【編集・編輯】資料をある方針・目的のもとに集め、書物・雑誌・新聞などの形に整えること。映画フィルム・録音テープなどを一つにまとめることにもいう。
とあります。
では「プロダクション」はどうでしょうか。
プロダクション【production】 ①ア生産。製作。「マス-―」イ生産物。製作品。②ア映画・番組・出版物などの製作会社。イタレントを抱え、芸能などを企画・興行する所。
これらを合わせると、本づくりに関しての編集プロダクションとは「書物・雑誌などの製作会社」ということになるかと思います。
そのまんまじゃないかという突っ込みが聞こえてきそうですが、ここは結構大事なところなのです。ひとつは、「製作会社=販売会社ではない」というところです。そしてもうひとつは、「編集プロダクションは受注産業である」というところです。
出版社は、自らの責任において販売する書籍や雑誌を企画・編集し、広告を打ち書店で販売します。つまり「売れる」ものを作るのが仕事です。
対して編集プロダクションは、クライアントが一般企業であれ個人であれ、注文に応じ本を企画・設計・デザイン・制作するところです(当社では制作という漢字を当てています)。つまり「お客さんが満足するものをつくる」のが仕事です。出版社も書籍や雑誌の編集をプロダクションに委託していることは多々あります。この場合、プロダクションは「出版社が満足するものをつくる」のが仕事になります。
「じゃあ編集プロダクションって、お客さんが好きなこと言ってその通りにやってればお金もらえるのかね?」
少なからずそういう会社もあるかもしれません。しかし、私たちはそうは考えません。「暮しの手帖」で有名な花森安治の言葉を借りれば、「もっとも正しい意味で〈職人【アルチザン】〉的な才能を要求される」のが編集プロダクションなのです。
では、〈職人〉的才能とはどういうものなのか、次回からはそのあたりを考察してみたいと思います。