「竜」か「龍」か
先日、岩波文庫の『芥川竜之介随筆集』を購入しました。しばし表紙を眺め、見慣れぬ「竜之介」の表記におや? と感じ、そういえば以前買った俳句集のときも同じように感じたことを思い出しました。
調べてみると広辞苑でも「竜之介」表記を使っていましたので、岩波書店は常用漢字の「竜」を使う方針のようです。ただ、ほかには青空文庫が目に入るくらいです。本家芥川賞の文藝春秋をはじめ、新潮社・河出書房新社・講談社・筑摩書房・平凡社・角川書店・集英社などはすべて「龍之介」表記でした。
年史・記念誌を作っていると必ず名前の漢字表記の問題がつきまといます。ごく平凡な漢字の名前の筆者はあまり苦労した経験がありませんが、自分の名前が間違って載っている本はあまり見たくないものです。作曲家の團伊玖磨氏は、「団伊玖磨」の宛名書きで来る郵便物を一切開封せず捨てていたそうです。
どちらが正解とは決められないのかもしれませんが、さて芥川氏は天国でどう思っておられるのでしょうか。
編集 Y
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2014.07.01
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