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編集者は最善を尽くしているか

本に必ず必要であり、本の顔となるものが「タイトル」です。当社がメインで制作している年史・記念誌といったジャンルは、『○○100年史』『○○創立50周年記念誌』などのシンプルなものに落ち着くことが多いのですが、学術出版社であるみすず書房が配信しているニュースレターで、編集者の方が新しく出版する訳書のタイトルに非常に苦労された経緯を書き綴っておられました。

原書は、"BETTER"という医療現場における問題と改善の努力をまとめた本。簡単すぎる英単語を日本語に置き換える困難は相当のもので、「医療はもっとよくできる」「医療パフォーマンス学」「そのとき医療が変わった」など、訳者と30以上もの案を出してもなかなか決まらなかったそうです。そのような苦心の末、ある営業部員さんが出した「最善を尽くす」というキーワードが元になって現在のタイトルができたということでした。

実際のタイトルはどうなったかはこちらをご覧いただくとして、私は若干硬質ですが内容に相応しいよいタイトルだと思いました(内容も面白いのでぜひ一読おすすめします)。自分がこれまで制作してきた本の中でもタイトル案が30も並ぶものはさすがにありません。商業出版、あるいは翻訳書ならではの苦労なのかもしれませんが、少しでもよいものをという編集者の方の努力は大いに勉強になりました。

http://www.msz.co.jp/book/detail/07768.html

当社HPの制作目録に並ぶタイトルの中には、社訓や創業者の言葉、哲学書や禅語の引用などを使ったものもありますので、お暇なときに眺めていただければ幸いです。


編集Y

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| 2013.12.02 | | comment(0) | trackback(0) |
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