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誤植


編集業にとって誤植は付き物です。料金を貰って校正をするのですが、単なる誤字脱字から表記の不統一、さらには事実関係の誤りや誤解を生みそうなレイアウトまで、誤植の種は尽きません。

古い話ですが、ある公的機関の刊行物を編集しました。刊行後の打ち上げの席で、クライアント側の責任者が「もし、間違っているとかなんとかクレームが来たら、それだけ沢山の人に読んで貰えたんだと思いましょう」と発言しました。1年をかけての制作過程の中で、編集作業の大変さが身に染みた人の発言だと思いました。

これも古い話ですが、私が広辞苑第2版第5刷(昭和46年11月18日発行)で見つけた誤植(赤字部分<以降の版では正しく「紀事」と修正されています>)があります。明日は我が身とも知らず誤植を見つけて喜んでいました。

540頁【紀伝】①人物の伝記を記録した書物。②紀伝体の略。③紀伝道の略。--たい【紀伝体】歴史記述の一体裁。歴史現象の総体を本紀(帝王一代の年譜)・列伝(民族や個人の伝記)・志(特殊な分野の変遷)・表(制度の一覧)に分類して記述する。史記で試みられ、漢書で確立、以後中国の正史は多くこの体裁をとる。→編年体・記事本末体。--どうダウ【紀伝道】古代の大学の四道の一。史記・漢書・後漢書の歴史や文選(もんぜん)などの文学を学び、作文を習う。奈良中期、文章博士(もんじょうはかせ)のもとに紀伝を専攻する学生が出、平安初期、おおいに盛んとなって、八四〇年ごろには明経(みょうきょう)・明法(みようほう)・算(さん)の諸道と並んで紀伝道とよばれるに至った。この科は文章博士・文書生などから構成されているので俗に文章道ともいう。--博士【紀伝博士】平安初期、大学で紀伝道の教授に当たった博士。


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| 2013.12.25 | | comment(0) | trackback(0) |
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