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窮地に立たされた編集会議での想い出


約25年前の強烈な思い出です。

ある『作品集』の編集会議で、編集委員長と二人の編集委員が編集方針をめぐって対立しました。
編集委員は合計約20名、対立した委員は二人です。
この二人は、それまで2冊の『作品集』の編集委員として当社に編集・制作を発注してくれた方で、今回もこの二人が当社を推薦してくれていました。

【編集方針の違い】
編集委員長の方針は今回紹介する作家は、日本画・南画・陶芸・茶道・華道など、非常に幅広い分野で活躍し、たくさんの作品を残した人なので、掲載サイズは小さくなってもできるだけたくさんの作品を紹介したい。
二人の委員の方針は、『作品集』という名に相応しい作品のみを選んで細部まで見えるように大きく掲載するべき。作家にとっても『作品集』に残す作品は厳選すべき。
というものでした。
編集委員会は紛糾し二人の委員は、「納得できないので、委員会を脱会する」と席を立たれました。

当時、私は30代半ばで、紹介していただいた二人の委員の後を追うべきか、編集委員長の方針に従って席に残るべきか、決断を迫られた結果、委員長に従ったというより、途中で仕事を投げ出すことを拒否しました。
翌日その二人の委員に呼び出されて叱られ、一時はたいへん落ち込みましたが、本を仕上げることが我々編集者の使命と自分自身を納得させました(今ではこんな記述ができますが、当時は毎日胃痛に悩まされました)。
数ヵ月後、編集委員長の方針で『作品集』を仕上げて納品しました。委員長と他の委員の方々には喜んでいただけましたが、もちろん二人の委員にはボロクソに詰られました。

しかし、何回か訪問しているうちに1~2年後には二人の委員にも従来と同じように話していただけるようになりました。
編集委員長もその二人も既に鬼籍に入られています。
30数年間の編集生活で2番目に強烈な思い出です。1番はこの次に。


編集TK
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| 2013.07.05 | | comment(0) | trackback(0) |
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