カレル・アンチェルと富山
数年前からクラシック熱が再発し、輸入盤などいろいろと購入して楽しんでいます。お気に入りは、チェコ出身で名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者を務めたカレル・アンチェル(1908~1973)の演奏です。
アンチェルは第二次大戦中ナチスの迫害を受け、一家は収容所送りとなり、彼以外の全員が亡くなりました。また1968年(昭和43)にはいわゆる「プラハの春」に対するソビエト連邦の軍事介入が起き、亡命を余儀なくされました。
そのような波乱の生涯から「悲劇の指揮者」とも呼ばれるアンチェルですが、1959年(昭和34)のチェコ・フィルとの一度きりの来日時に、ここ富山でも演奏していたことを知りました。10月29日(木)に旧富山市体育館で行われ、プログラムは下記のようなものだったそうです。
ラディスラフ・スロヴァーク指揮
・スメタナ 連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
・シューベルト 交響曲第8(7)番「未完成」
カレル・アンチェル指揮
・チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番(ピアノ:ヤン・パネンカ)
・ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
私が生まれるずっと以前のことですが、録音でも残っていないかと探し回りたくなります。アンチェルの眼にはこの富山県はどう映ったのでしょうか。聴衆の反応はどうだったのでしょうか。いろいろなことを考えてしまうのですが、このような記録が残っているからこそ、現在の我々がさまざまに思いをめぐらせることができるという、その大切さを改めて認識しました。
アンチェルの演奏は、同郷のドヴォルザーク・スメタナ・ヤナーチェクはもちろん、ブラームスとマーラーの交響曲にもすばらしい録音があります。暖かく心に響く演奏です。ぜひ一度聞いてみてください。
(プログラムの写真はKAJIMOTO音楽事務所より、プログラムの詳細は「チェコフィルの世界」より引用させていただきました)
Y
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2015.01.27
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