編集雑記TOP ≫  趣味 ≫  四十路の英語奮闘記 その三

四十路の英語奮闘記 その三

『その二』(2016.12.09)で述べたように、黙読や音読のかたわら、英語の副読本をパソコンで書写しはじめた私は、その楽しさに埋没し、いつしか1年余りの時が経過しておりました。

だいぶ英語にも慣れてきた気がしたため、 "英語奮闘" を始めた動機である「自作の文章の英訳」に取り組んでみることにしました。しかし最初の一文すら満足な英文に訳すことができず、時期尚早であることを思い知りました。

そこで、翻訳ソフトなるものに手を出すことにしました。
自分の頭の中にある和文を英訳する上での、何かヒントのようなものが得られないかと考えたのです。

とはいえ、英語学習などというすぐに心が離れてしまいそうな遊びに過大な投資をしたくなかったため、ネット通販のレビューで「ほとんど役に立たない」と酷評されるような安価なソフトを、どれぐらい役に立たないのだろうという興味にもうながされて、購入してみました。
そして実感しました。皆さんのおっしゃる通り、本当に役に立たないのだということを。

翻訳の結果である画面上の奇妙な英文をぼんやりと見つめながら、「ドブにお金を捨ててしまったか......」と、はじめから分かり切ったことに今さらのごとく落胆した時、画面上部のメニューバーに並ぶ、「音声」という見慣れぬメニューの存在に気付きました。

「なんじゃコリャ?」と、なんの期待もないままクリックして、ビックリしました。突然パソコンがしゃべり出したのです。英語で。

なんと、ソフトには英文を音声化してくれる機能が付いていたのです。

その時英訳した文章は、私が書いた小説モドキでした。英文として体裁が整っていないとはいえ、自分で考案したキャラクターたちの名前が流暢な英語で発音されるのを聞くのは何とも新鮮で、落ち込んだ気分もかなり持ち直しました。

新鮮さに引っ張られてその妙な英文を繰り返し何度か聞いていて、私はハッとしました。
――これまでパソコンで書写してきた英文を、みんな音声化できるのでは......?

その頃は懐かしの「英語の副読本」に加え、『オズの魔法使い』や『ナルニア国ものがたり ライオンと魔女』といった子供向け物語の原文などにも手を広げており、すでに20を超える英文書籍の入力を終えていました。もしそれらを全て音声に変換できるとなると、それはそれは、大きな財産になります。

そんなにうまくいくかなぁと疑心暗鬼になりつつ、ともあれ最初に取り組んだ『ギリシア神話』の第1章をコピーして英訳ソフトに貼り付け、トライしてみました。
ハイフンの使い方等において英訳ソフトの癖に合わせるなど、多少の調整が必要でしたが、結果は上々で、膨大な量の「英語音声のもと」を手に入れることができました。
しかもどれもが自分で入力したもののため、わずかなりとも "手が覚えて" いてくれており、聞いていると、なんとなく、本当になんとなくですが、分かる感じがしました。

それらを片っ端からICレコーダーで録音し、コッペパンほどの大きさのスピーカーやMP3プレーヤーなどで再生して、暇さえあれば耳に馴染ませるよう努めました。

文字から音声に、目から耳に、情報源と感覚器官が変じたわけです。

こうしてささやかな進化と楽しさの拡大を遂げながら、四十路男の英語奮闘は性懲りもなく続けられていくのでありました。
To be continued...      

2016_04240003_b2.jpg

編集S
タグ:タグは付けられていません。
| 2017.02.24 | 趣味 | comment(0) | trackback(0) |
コメント
コメント投稿フォーム:
 上の情報を次回も利用する
:(HTMLタグが使えます)
トラックバック
トラックバックURL:
※ トラックバックは管理者の承認後に表示されます。

関連エントリー一覧

Copyright (C) 編集雑記. All Rights Reserved.